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小豆沢病院 総合診療専門研修プログラム
日本専門医機構認定

12.専門研修の評価について

専門研修中の専攻医と指導医の相互評価は施設群による研修とともに専門研修プログラムの根幹となるものです。以下に、「振り返り」、「経験省察研修録作成」「研修目標と自己評価」の三点を説明します。

1)振り返り

4年間を通じて専攻医の研修状況の進捗を切れ目なく継続的に把握するシステムが重要です。具体的には、研修手帳の記録および定期的な指導医との振り返りセッションを1~数ヶ月おきに定期的に実施します。その際に、日時と振り返りの主要な内容について記録を残します。また、年次の最後には、1年の振り返りを行ない、指導医からの形成的な評価を研修手帳に記録します。

2)経験省察研修録作成

常に到達目標を見据えた研修を促すため、経験省察研修録(学習者がある領域に関して最良の学びを得たり、最高の能力を発揮できた症例・事例に関する経験と省察の記録)作成の支援を通じた指導を行ないます。専攻医には詳細20事例、簡易20事例の経験省察研修録を作成することが求められますので、指導医は定期的な研修の振り返りの際に、経験省察研修録作成状況を確認し適切な指導を提供します。また、施設内外にて作成した経験省察研修録の発表会を行ないます。

なお、経験省察研修録の該当領域については研修目標にある7つの資質・能力にもとづいて設定しており、詳細は研修手帳にあります。

3)研修目標と自己評価

専攻医には研修目標の各項目の達成段階について、研修手帳を用いて自己評価を行なうことが求められます。指導医は、定期的な研修の振り返りの際に、研修目標の達成段階を確認し適切な指導を提供します。また、年次の最後には、進捗状況に関する総括的な確認を行ない、現状と課題に関するコメントを記録します。

また、上記の三点以外にも、実際の業務にもとづいた評価(Workplace-based assessment)として、短縮版臨床評価テスト(Mini-CEX)等を利用した診療場面の直接観察やケースにもとづくディスカッション(Case-based discussion)を定期的に実施します。また、多職種による360度評価を各ローテーション終了時等、適宜実施します。

さらに、年に複数回、他の専攻医との間で相互評価セッションを実施します。

最後に、ローテート研修における生活面も含めた各種サポートや学習の一貫性を担保するために、専攻医にメンターを配置し定期的に支援するメンタリングシステムを構築します。メンタリングセッションは数ヶ月に一度程度を保障しています。

【内科ローテート研修中の評価】

内科ローテート研修においては、症例登録・評価のため、内科領域で運用する専攻医登録評価システム(Web版研修手帳.J-OSLER)による登録と評価を行ないます。これは、期間は短くとも研修の質をできる限り内科専攻医と同じようにすることが、総合診療専攻医と内科指導医双方にとって運用しやすいからです。

12ヶ月の内科研修の中で、最低40例を目安として入院症例を受け持ち、その入院症例(主病名、 主担当医)のうち、提出病歴要約として10件を登録します。分野別(消化器、循環器、呼吸器など)の登録数に所定の制約はありませんが、可能な限り幅広い異なる分野からの症例登録を推奨します。病歴要約については、同一症例、同一疾患の登録は避けてください。

提出された病歴要約の評価は、所定の評価方法により内科の担当指導医が行ないます。

12ヶ月の内科研修終了時には、病歴要約評価を含め、技術・技能評価、専攻医の全体評価(多職種評価含む)の評価結果が専攻医登録・評価システムによりまとめられます。その評価結果を内科指導医が確認し、総合診療専門研修プログラムの統括責任者に報告されることとなります。

専攻医と統括責任者がその報告にもとづいて、研修手帳の研修目標の達成段階を確認したうえで、統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合します。

【小児科および救急科ローテート研修中の評価】

小児科および救急科のローテート研修においては、基本的に総合診療専門研修の研修手帳を活用しながら各診療科で遭遇するcommon diseaseをできるかぎり多く経験し、各診療科の指導医からの指導を受けます。

3ヶ月の小児科および救急科の研修終了時には、各科の研修内容に関連した評価を各科の指導医が実施し、総合診療専門研修プログラムの統括責任者に報告することとなります。

専攻医と統括責任者がその報告にもとづいて、研修手帳の研修目標の達成段階を確認したうえで、統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合します。

【指導医のフィードバック法の学習(FD)】

指導医は、経験省察研修録、短縮版臨床評価テスト、ケースにもとづくディスカッションおよび360度評価などの各種評価法を用いたフィードバック方法について、指導医資格を取得時に受講を義務づけている特任指導医講習会や医学教育のテキストを用いて学習を深めていきます。

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