研修施設の地域背景や特徴
本研修プログラムの基幹施設となる小豆沢病院は、東京都板橋区に位置し、一般病棟・地域包括ケア病棟・回復期リハ病棟をもつケアミックスの小規模病院です。二次救急・透析・健診センターなどの機能も持ち、板橋区・北区・練馬区に展開する法人内の7つの医科診療所、訪問看護ステーション(サテライト4ヶ所)、ヘルパーステーション(3ヶ所)、介護老人保健施設、歯科診療所と一体となり、在宅から入院まで幅広く、一貫した医療・介護活動を展開しています。
超高齢化が進む都心部において地域医療を担う小規模病院・診療所では、高齢者医療と在宅医療への対応力の向上が課題となっています。そして、健康問題を抱えた地域住民が最初に訪れる第一線医療機関として「断らないで診る」ことと同時に、近隣の診療所や開業医と連携して在宅患者の救急・急性期に対応するサブアキュートの医療機能、大規模急性期病院と連携したポストアキュートの医療機能を発揮しながら、介護・福祉を担う諸施設、地域住民や行政などとも連携して、一人ひとりの患者を「最期まで診る」ことにこだわる医療が求められています。
本プログラムは、家庭医療専門研修Ⅰの領域を担う小豆沢病院とともに、病院に隣接した場所にあって訪問診療・往診を担う在宅医療専門の診療所、練馬区において地域に深く根ざし、外来・訪問診療・健康診断などを展開しながら地域包括ケアの最前線の取り組みを行なっている診療所が担当します。
家庭医療専門研修Ⅱの領域については、東京都立川市・埼玉県三郷市・千葉県流山市といった首都圏の地域にありながら、医療資源の乏しい地域において救急・急性期医療の中心的な役割を果たしている3つの中規模模総合病院から選択して行ないます。
どの研修施設の地域においても、高い生活保護比率とともに多数の国保料滞納世帯が存在するなど、格差と貧困が広がっており、無料低額診療事業や差額ベッド代を徴収しないなど、困難な人々に寄り添った医療・介護活動を行っています。
様々な地域と多様な診療の場を経験しながら、それぞれ施設の特徴を生かした研修を行ないます。