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ストーリー

祐天寺ファミリークリニック 西 正孝

【ワークライフバランス】
育メン医師が小豆沢病院への転職で得られたこと

祐天寺ファミリークリニック
西 正孝

後編

【やりがいと学びを得られた2年間】

小豆沢病院で働いてみての感想を教えてください。

西Dr. 僕の実際の勤務ですが、火曜から金曜の週4日でした。

半日を1単位とすれば合計で8単位になります。その内容は、内視鏡が5単位、うち上部が2単位、下部が3単位です。外来診療は1単位、在宅への訪問診療が1単位、ケース検討や若手医師の指導に1単位とっていました。

在宅への訪問診療は、毎週ではなく隔週の月2回でおこなっていて、その他の週は、技術の維持ということで、腹部エコーを月2回、訪問診療と交互におこなっていました。

外来診療の最中に、『先生の内視鏡はすごく楽でした。』そう患者さんに言っていただけるのは嬉しいことです。

小豆沢病院は歴史も古く、地域に根ざした病院で、高齢の患者さんが多い…、そこが特徴だと思います。様々な疾患を持たれていますので、専門が消化器だからといって、それ以外は診ることができません…、というのは通用しません。 今後は、多くの医療機関が、他の医療機関と連携することも含まれると思いますが、この高齢化に対応することになると思います。

若手医師のふたりも、先生に指導を受けることで、ずいぶんとやる気を高められたように思います。

西Dr. 若手医師の指導もとても楽しくおこなうことができました。

なんといっても、小豆沢病院で内視鏡専門医を目指していると聞いていた若手医師、ふたりいるので、「彼ら」と言わせてもらいますが、彼らはとにかく真面目で、一生懸命な姿勢で僕の指導にのぞんでくれました。

一生懸命だから、彼らの上達は目に見えて早い…。だから教えがいとやりがいは、高いものを得ることができました。

僕は、これまでにもたくさんの後輩を指導してきました。他と比較してどうこういうのは好きではありませんが、大学病院は教育機関なので、教わる側は『教えてもらうのがあたり前』であり、教える側は『僕が君に教えても何のメリットもない』とまで言われた経験があります。

僕は『教えてもらうのは当然』というのもわからなくはないのですが、自分はどうしていきたいのか、その目標となるものは何で、目標を達成するために、今、何を吸収するのか…。

そういう向上心というか、積極的な姿勢が、自らの技術を高めていくものだと思っています。上手くなりたい人は、自分でどんどん質問しますし、模型で練習する。

彼らは良く質問してきました。

また、火曜日に出勤すると、彼らは医局の朝礼がはじまる前から相談に来ます。週末から週明けまでに遭遇した症例について、その場でミニカンファレンスを行う感じでしたが、やる気のあらわれは大歓迎でした。

訪問診療、往診は西先生にとってはじめての挑戦であったと思いますが…。

西Dr. 訪問診療は初めての経験でしたが、病院の外に出るのは気分転換にもなりました。

また、患者さんや天候にも恵まれ、気分よく診療することが出来たといえます。褥瘡の対応で迷う時には、その状態を写真で撮り、病院に戻ってから外科の先生に見てもらい、相談にのってもらいました。

病院勤務の先生たちは、ほとんどの方が訪問診療の単位を持っていたので、いろいろと相談しやすい環境であったといえます。

西先生は、開業されるクリニックで訪問診療に取り組まれるのですか。

西Dr. 訪問診療は24時間365日、責任を持って管理しなくてはならないですよね。夜間や休日の大変さもありますが、日中に内視鏡検査をすることにもなるので難しいと思います。

小豆沢病院の医療グループは、北区から練馬区にかけて、7つの医科診療所を展開していますが、病院がセンターとして控えており、在宅管理をしている患者さんで、入院が必要になったさいにはバックアップしてもらえる…、病院の外来診療と同じような安心感がありました。

同じグループの中に、訪問看護ステーションやヘルパーステーション、老健施設まであり、在宅医療をすすめるためのシステムが備わっているのも心強いです。

冒頭にも述べましたが、在宅医療は365日昼夜問わずに医療管理に責任を持ち、看取りもおこなうことになります。このことは、各診療所で所長をされている先生方に、多大なご苦労が集中されることになります。

これに対して、小豆沢病院は夜間休日に在宅当番医を配置し北区から練馬区、グループ内のすべての診療所をフォローする体制をとっているのもグループの連携を上手く活用しているといえます。

開業をしたさいに訪問診療を展開するには、このような連携を組まないと難しいと感じたのも、この経験があったからだといえます。

開業するクリニックでは、歳をとり、足が不自由になって通院することが困難になった患者さんに対して、僕の出来る範囲で取り組みたいと考えています。

病院全体や医局の雰囲気はどうでしたか。

西Dr. とにかく、まわりのスタッフが気をきかしてくれました。

17時になると、『先生!5時!5時だよ!子どもが待っているから早く帰って!』って(笑)。

僕が育メンで子育て中心であること、僕の立場がどういう位置か、みなさんが理解されていたので働きやすかったといえます。

【開業にむけて役立ったこと】

開業する上で、役に立ったことは具体的にどのようなものがありますか。

西Dr. 僕はこれまで、消化器内科専門でやってきたのですけど、小豆沢病院にきてからの2年間、一般内科を経験できたことが大きかったといえます。 具体的には高血圧とか糖尿病とか…。

開業してからは、そういった患者さんを中心に見ていくことになると思うんです。 上下の内視鏡も当然やりますけど。

僕が研修をしていた頃と比べると、薬が大きく変わっていました。

ですので、関連する本を2~3冊買って、現状の糖尿病とか、血圧のコントロールを勉強し直しました。とにかく、アップデートしていかないといけないわけですから。

キャリアチェンジを考えている先生方にひとことお願いします。

西Dr. 目的をしっかり持つこと、長期的な計画を立てることです。

何に向かっているのか。自分はどの位置にいてどう動くのか。そのために何が必要であるかを考える。

10年後の自分をどのように想像しているのか。そこから逆算すれば、今何をやるのかはおのずと見えてきます。

僕は、そこに小豆沢病院が手を貸してくれて、マッチしたということだと思います。

【おわり】

編集後記
家族を大切にしながらも、妻と一緒にクリニックを開設する。 この目標を明確にして決意し、行動に出たからこそ、小豆沢病院との出会いがありました。

小豆沢病院では、西先生の働くための条件を理解しつつ、彼の経験と知識を後輩の指導という形でいかし、訪問診療などの新たな学びを 提供することが出来たといえます。

子育てと仕事の両立は本当に大変です。 けれども、そんな子育て中のママさんドクターにも、働きやすい環境とやりがいを提供したいと考えています。 ぜひ、お気軽にお問合せください。

【西正孝Dr.の経歴とクリニックのご案内】

★経歴
1971年生
 
1997年4月
東京医科大学を卒業し、同大学で消化器内科の医局へ所属
その後も大学と関連病院で臨床医として働き、小児科医である女性と結婚、ふたりの子どもに恵まれる。
2012年4月
数年後の開業を目指し子育てをする臨床医となるため、小豆沢病院に転職。
2014年4月
目黒区内にてクリニックを開設するため、惜しまれながらも小豆沢病院を退職となる。
2014年6月
目黒区内にて「祐天寺ファミリークリニック」を開設(2014年6月2日 開院)。
祐天寺ファミリークリニック